2020年7月10日金曜日

ヤンゴン大木録 12. –身近な樹木のキ録&モク録– ―Common Trees in Yangon 12.

このプチシリーズでは、ヤンゴンの道端や庭などでよく見られる樹木を不定期で紹介していきます。
This is the irregular series to introduce common trees what can be seen at roadsides, gardens, etc. in Yangon.
Jun.

その12.
Botanical name [学名]Tectona grandis
Common name [通称]:チーク、Teak
Burmese name Kyun(チュン)
・戸籍:在来 / IDindigenous
Mar.

・コツ&コネタ / Tip & Topic
チークは落葉樹で、乾期の深まりとともに大きな葉がどんどん落ちてゆき、肝心の晴天が続く日々には木陰を提供しない。さらに、雨期に咲く花にしても、小さく地味で、目の保養と言えるようなものではない。
総じて、街路樹としてはまったく不向きで、1990年代から市街地に植えられるようになったのは政治的意図による。
Flowers, Jul.

Teak is a deciduous tree and its broad leaves are gradually falling in the dry season. So, it doesn’t provide the shade during particular sunny days in the dry season. Additionally, its flower which blooms in the rainy season is quite sober.
Generally, it isn’t suitable for a roadside tree. Planting teaks in public areas has started for the political purpose since 1990s.
Fruits, Jul.

本来チークは、天然の森で自然に育ってこそチークで、植えるにしても、里山の植林ぐらいまででとどめておくほうがいいかもしれない。
Essentially, Teak should be growing in natural forest. Even in case we plant its seedlings, they would be better to be planted at plantation sites within country sides, I hope.
Teak plantation, Jun., Hmawbi Tsp., Yangon Reg.Teak plantation, Dec., Hmawbi Tsp., Yangon Reg.

樹木と言えば、よく、その大きさが話題になるが、たいていは、太さが比較の対象となる。一般的な測定法では、根元の地面から130センチの高さ(ほぼ成人の胸の位置)の周囲を測る。
この、いわゆる胸高周囲・胸高直径を以て巨木云々というのが、私にはどうも釈然としない。
あらゆる樹木は、決して電柱のようなきれいな円柱ではなく、割れやら瘤やら、大なり小なり表面は凸凹している。樹齢を重ねれば重ねるほどボコボコしてきて、根元から胸高あたりなど、真円とは程遠くなってくる。

そこで、巻尺をピンと張って幹に巻けば、断面がニコちゃんマークのようなきれいな円であろうが、パックマンのように割れが入っていようが、太さに差はないことになる。逆に、凹凸に沿って巻尺を木肌に密着させて巻けば、パックマン型のほうが、はるかに大きな数値を出す。

特に熱帯には、根元に板根が発達するものが多く、地際から130センチに巻尺を当てるとなるとヒトデを測るような状況となり、とてつもない数値になってしまう。
さらに、急な斜面から斜めに伸びている木だと、あくまで地形ではなく地球に対して水平を保持したまま巻尺を当てるか、製材後の丸太を測るがごとくに最短の円周になるように巻尺を当てるかでも、かなり差が出てくる。

実際、巨木があると聞いて見に行ってみると、根元近くだけがボコボコと裾広がりになっていて円柱状になった幹の大部分は大人一抱え程度しかなかったり、樹冠部は何度も朽ちて崩れ落ちて寸止まり状態になってたりすることがある。
巨木と呼ばれる日本の各地の老木には、樹齢を重ねた凄みや荘厳さはあるにしても、これが巨木?と、コケそうになることも多々あるのは事実だ。

それに比べて、問答無用に素直に受け入れられるのは樹高のほうだ。
けれども、樹高が大きさの指標としてあまり使われないのは、測定の難しさによるのかもしれない。
ほぼ地上の手作業で測れる胸高直径と違って、高さを測るには特殊な機器が必要だし、どこからどこまでを測るか、基準を設定するのも悩ましい。平坦地に立つクリスマスツリー型の針葉樹なら比較的簡単に測れるが、樹冠が広がってくるほど、地面が傾くほど難しくなってくる。
けれども、今ならドローンなどを活用することで、フェアな測定ルールも決められそうだ。
ポイントは、根元から一番高い枝先に向けて斜めに測るのではなく、あくまで地球に対して垂直に、根元の標高(海抜)と、てっぺんの枝先の標高の差を樹高とすべきだろうと思う。

さて、本題のチークのサイズはと言うと、1990年代に、当時世界最大と言われた野生のチークが、シャン台地の一角にあるピンウールインの谷底で発見されている。私が現場を訪ねたのは落葉期で、むしろ樹形がよく観察できたが、幹は、かなりすっきりした円柱形で、樹冠のダメージも少なく、まだまだ伸びしろを感じさせるものだった。
19965月時点での測定結果では、樹高約56.4メートル、胸高周囲7.47メートル(直径換算約238センチ)、推定樹齢600年、となっていた。
Data of a wild giant teak in Pyin Oo Lwin Tsp., Mandalay Reg.

A record-breaking giant teak was discovered at the bottom of some valley in Pyin Oo Lwin Tsp. located in Shan plateau in 1990s. When I visited there, it was the defoliation period. So, the tree form was clearly seen. Its trunk was a nearly right cylinder shape and its crown was not so damaged. It looks to be vital to grow more.
Its sizes were 56.4 meters in height, 7.47 meters in girth (238 centimeters in diameter), and its estimated age was 600 years old in May, 1996.
 A wild giant teak after shedding leaves (a supposed world tallest teak), Apr., Pyin Oo Lwin Tsp., Mandalay Reg.

近年、さらに太いチークが、サガイン管区ホマリン郡の山中で二本発見されており、大きいほうは、胸高周囲8.36メートル(直径換算約266センチ)あるが、樹高は33.53メートルしかなく、上部の枯損が始まっているようだ。
その詳細は、森林局機関紙で紹介されている(コチラ)。

Recently, two more giant teaks were discovered in Hommalin Tsp., Sagaing Reg. The largest one’s sizes were 8.36 meters in girth (266 centimeters in diameter) but 33.53 meters in height. Its crown would begin to be withered.
Information about giant teaks in Hommalin Tsp. is introduced on the Forest Department official journal (here).

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