2014年1月21日火曜日

幻の大衆麺、その3. -Uncommon ordinary noodle, part 3.-

汁なし系の定番としては、ナンジートウッを挙げたい。マンダレーモンティーとも言われるように、内陸部、北部が本場だが、「モンティー」という言葉が曲者(くせもの)で、複数の軽食的な麺に当てられるので要注意。
中華麺を使ったカウソェトウッ(和えソバ)
Basic noodle salad

トウッ、ァトウッとは、和(あ)え物とかサラダとかのことで、例えば、お茶受けによく食べられる発酵茶葉(はっこうちゃば)のサラダ風だと、ラペッ(茶葉)トウッとなる。

ヤンゴンでは中華麺を使ったカウソェトウッのほうを多く見かけるが、ナンジーは、白くてコシの強い米の麺だ。麺に和えるタレには、ミャンマーの人には欠かせない油とともに、黄粉(きなこ)も必須(ひっす)アイテム。
マンダレーモンティーことナンジートウッ、左が太麺

Nangyi noodle salad (Mandalay Montii), Left: Thicker type

ふと大昔の記憶が蘇(よみがえ)ったのだが、通っていた四国の保育園で、生のうどんに黄粉だけを絡めたものを、よく食べていたような気がする。安倍川餅(あべかわもち)の黄粉ぐらい甘く、おやつとして出されていたのだと思うが、とてもうまかったということだけは舌が覚えている。

ナンジートウッは、辛味(からみ)も薬味(やくみ)も効かせた、一見ナポリタンのような料理だが、麺と黄粉の組み合わせに再会したのは、ここミャンマーで何十年ぶりのことだった。
かき混ぜ後
After mixing noodle and sauce

ナンジー自体(じたい)太めだが、中でも太麺(ァロンジー)は、日本のうどんぐらい太くてコシがあり、超お勧(すす)めなのだが、ヤンゴンでこれを出す店は限られている。

こちらの日本料理屋では、高価な輸入物の乾麺(かんめん)を使ってうどんを出している店があるようだが、ナンジーのァロンジーなら、うどん出汁(だし)でもイケるかも。

他にも、よくマンダレーモンティーと言われるのが、チャーザンチェッで、キクラゲなどが入った春雨スープだ。思わず「えっ、ミャンマーで…」とこぼしてしまいそうなほど、これでもかと言わんばかりの胃に優しい麺類で、もたれているときなど、これまたお勧め。
もう一つのマンダレーモンティー、チャーザンチェ
Another Mandalay Montii, Kyasan Chet (Gelatin noodle in soup)

もう一つ、モンティーの西の雄(ゆう)。それがラカイン(ヤカイン)州起源(きげん)のヤカインモンティーだ。アブシャブとも呼ばれるが、直訳すると上顎(うわあご)熱い舌熱いで、トウガラシとコショウがダブルで辛(から)い。

ナンジーとは対照的(たいしょうてき)な米の細麺で、これもシャンカウソェのように汁のあるなしが選べる。ベンガル湾岸生まれに相応(ふさわ)しく、スープは魚系。
ヤカインモンティー(アブシャブ)、中央が汁なし和えソバタイプ、右が汁ありタイプ
Yakhine Montii (Arpu-Sharpu), Middle: Salad type. Right: Noodle in soup type.

まずは、マイルドな汁ありから挑戦(ちょうせん)したほうが無難(ぶなん)だが、その辛さ、病(や)みつきになるかも。私の場合は二口目に到達(とうたつ)する前から、とりあえず、のた打ち回って、なぜか笑いがこみ上げる。
まだまだ続く麺の旅。

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