2021年4月14日水曜日

死縁なき支援を ―Support against deadly opportunity

ミャンマーの現状を憂う方々の支援の輪が広がっており、その行動力には敬服するばかりで、本当にすばらしい。

私も支援させていただきたいが、発起人の方々がどのような目的で支援金を募っておられるのか、その使途は確認しておきたい。

私の姿勢は…

デモで死傷された方々への見舞金や治療費への支援、大賛成。市民の武装化への支援、大反対。

そして、苦悩するのは、やはりCDM市民不服従運動)に対してである。

http://onishingo.blogspot.com/2021/04/trouble-and-nature.html

不服従により収入を断たれた方々に現金や物資が届いたとして、そこで、例えば、森林官が森のパトロールに行ってくれるとは思い難く、むしろ、これまで以上に勇気を持ってデモに駆り立てられることになりはしないだろうか。

そうして私の支援を受け取った人が撃ち殺されたりしたらそれはあまりにも悲しすぎるし、後方支援者である私にも責任がある。

そうなることは何も望んでいないのに、先の大戦中に教え子を兵役志願に駆り立てた軍国教師と同じになってしまう。

軍が掟を破って市民への発砲を始めた時点から局面は一変した。

今、狂気の集団に対峙する行動を励ますことは、私はできない。

かと言って、ここでみんながおとなしくなれば、軍の思う壺。

だとしても、何百人もの犠牲者が出ている中、今まさにデモに向かおうとしている目の前の若者が、もし自分の子どもだったとしたらどうだろう。絶対に引き止めるでしょう。ミャンマーの死生観がどうであろうが、私なら行かせない。

騒乱というものは、そんな人として当たり前の感覚さえも麻痺させようとしていた。

どの国の政府も軍の狙撃を止められない限り、決死のデモに向かおうとする若者を止めることしか、今は彼らの命を守る方法が思いつかない。どなたか、他に名案があるでしょうか?あるなら教えてほしい。

例えば、週に一日からでもいい、鎮魂の日を決めて、その日だけはデモもせず、心静かに祈り、命の重みを噛みしめてみてはどうだろう。それで軍人の心が動くとは期待し難いのだが。

考えても考えても解決の糸口が見いだせない自分が、本当に情けない。申し訳ない。

こんな情けない私ではありますが、一つだけはっきりと言えることがあります。

デモも尊いしCDMも尊い。けれども、一番尊いのはあなたの命

今生きているみなさんは、どうか自分の身を守ることに全力を尽くしてください!絶対に。

亡くなられた皆様のご冥福をお祈りいたします。

5 件のコメント:

  1. 切実に哲学的な問いかけです。当事者ではなくて、安全なところにいて、危険な目に遭った経験もなく、今をやり過ごせばいいだけの自分が、テレビの映像にほだされて生じた正義感だけで行動すると、ややもすると誤りが生じるかもしれないことには気づかされました。何ができるか、もう少し深く考えてみます。一時期でもミャンマーの友人にお世話になった者としては、何もしない、という選択はありません。今の危険を避け、民衆を暴力に駆り立てず、民主的な将来が来る方向に進む方法があると思って考えてみます。

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  2. 大西さん、「あるなら教えてほしい。」ではなくて、「血を流すことなく、非暴力で国軍を排除する具体的なアイデアを緊急募集します」とされてはどうでしょう。

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  3. 深いご理解、ありがとうございます。
    香港や台湾やタイでのデモでも、一部の者が拘束収監されることはありますが、ミャンマーでのみ、デモ参加者を射殺するという近年他国ではない異常事態となりました。
    最初の射殺が意図的狙撃だったと分かった時点で、他国のデモとは全く違った思考を持つべきでした。
    我々大人は、若者の勇気を称賛するのと同様に、またはそれ以上に、いかにして彼らの命を守るかという方向に思考転換すべきでした。
    もう800人もの尊い命を見殺しにしてしまった。
    彼らの命を守れなかったこと、大人として責任を感じます。本当に申し訳ないです。
    募集告知のご提案、ありがとうございます。
    こんなブログサイトよりも、もっと多くの人の目に触れる場・方法を探すことも含めて検討します。

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  4. NHKの番組がとてもわかりやすかったです。
    WEB特集 ミャンマー軍の“巨大利権” 資金源の謎に迫る | ミャンマー | NHKニュース
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210823/k10013213601000.html

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  5. 以下の記事やホームページやサロンなども、ミャンマーの現状を多角的に理解するのに参考になるかもです。 敵が正気の沙汰ではないと判明してから後に、なおもデモやCDMへの支援を続けることと、内戦が散発することとの因果関係が気になるところです。 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210624/k10013098401000.html
    https://springrevolutioninmyanmar.com/ https://note.com/harunokakumei/
    https://note.com/inochimyanmar/

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