新型コロナウィルスを「ただの風邪」と呼ぶことの是非については、同件題その3. にて意見を述べさせていただいた。
http://onishingo.blogspot.com/2020/09/3-world-war-against-covid-19-part-3.html
特にその手の議論では、過去の記録からの正確な数字が提示されているが、完全に間違った統計の使い方がまかり通っているので、老婆心かもしれないけれど、改めて指摘しておきたい。
まだ私がミャンマーにいた2020年の1~3月ごろには、「毎年冬にはインフルエンザで◯◯人の人が亡くなっている。それに比べて新型コロナウィルスではまだ◯◯人しか亡くなっていないのに恐怖を煽るのはいかがなものか」みたいな意見が、日本では強くあったと聞いている。
数字を比較する場合には、その統計を取った際の条件が揃っていなければ使えない。
もし未だに、2020年3月以前の統計から数字を出してきて、インフルエンザではこれだけ死者が出ていたのに、それに比べて新型コロナは…と言っている人がいるとしたら、それは科学の基礎の基礎が分かっていない科学的センスがない人の意見なのでスルーしたほうがいい。
まだ新型コロナが日本列島にほとんどなくて生活様式も以前のままだったころのインフルエンザの統計と、現在の新型コロナの統計を比較しても、まったく意味がないのだ。
もし、インフルエンザウィルスと新型コロナウィルスの統計を比較するのなら、古くとも2020年の4月以降、つまり、マスクや手洗いの励行や3密回避などのウィルス予防的な新しい生活様式が始まってからの数同士を使うべき。
その同じ条件下で、それぞれの感染者数や死亡者数などを比較してみて初めて、インフルエンザウィルス、以前からあったコロナウィルス、新型コロナウィルスなどの真の実力(?)が明らかになるというもの。
同じ条件下で仮に、インフルエンザでの死者が100人で新型コロナでの死者が1,000人と出たとしたら、インフルエンザで1,000人亡くなっていた時点の生活様式に戻せば、新型コロナでは10,000人亡くなるかもしれないという統計的推測が成り立つことになる。
まずは今年度末まで待ってみて、2020年4月から2021年3月までの統計が出揃ったところでインフルエンザと新型コロナのそれぞれの数値を比較してみて、それから、新型コロナをただの風邪と呼ぶべきかどうか、マスクも3密回避も特段の予防はいらないのかどうかの判断を、公平にされるのがよいかと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿