満開のパダウ(ビルマカリン)
Padauk in full bloom
ミャンマーの元日は真夏の4月にあり、年末年始にあたる連休は十日以上に及ぶ。移動も会合(かいごう)もままならないその時期は日本で過ごし、落ち着いてくるのを待って5月に入国したのだが、暑さはピークのままだった。
エアコンのないヤンゴンの定部屋(じょうべや)は扇風機(せんぷうき)フル回転でも寝苦しく、深夜0時の温度計は35.5度を指している。
明けた13日の日中は、西のベンガル湾沖にあるサイクロンの雲がかかり、ヤンゴンは、ほぼ半年ぶりの土砂降(どしゃぶ)りとなった。町は一気にクールダウン。
翌14日朝6時には29.5度まで下がり、なんとも涼しかった。80キロのカーブを投げられた後には100キロでも剛速球(ごうそっきゅう)に見えるというやつか。
5月16日午前9時過ぎ
around 9am on 16th May
土砂降りから三日後の5月16日。あちこちの大通りが黄色に染(そ)まった。マメ科の花木(かぼく)、パダウ(ビルマカリン)が咲いたのだ。この国民的愛花は乾季終盤(しゅうばん)の猛烈(もうれつ)な雨に反応して、ある朝いっせいに満開になる。
ヤンゴンでは、ビルマカリンとインドシタン(ヤエヤマシタン)の二種がパダウとして植えられていると思われる
Pterocarpus macrocarpus and P. indicus would be planted as Padauk in Yangon.
町じゅうの木々が日時を申し合わせたようなXデーは4月に訪れることが多く、その日は至(いた)る所が花のおすそわけで飾(かざ)られる。自転車タクシーのハンドル、女性清掃(せいそう)員の髪、駄菓子(だがし)屋の店先、ホテルの受付…。
公衆電話スタンドの傘の柄にも
on the pole of parasol of the public telephone stand
ミャンマーの人たちにとってパダウの開花は、逃げようのない酷暑(こくしょ)の終幕(しゅうまく)と実(みの)り多き雨季の到来(とうらい)を約束する自然からのメッセージなのだ。
5月17日
on 17th May
やっと訪れた今年の開花日。黄色い粉雪(こなゆき)のような花びらは夕方には風に舞(ま)い始め、三日後にはパダウ並木は元の緑の装(よそお)いに戻っていた。
5月18日
on 18th May
ある首相(しゅしょう)が、日本は四季のある美しい国だと言ったようだが、どの国にも季節を彩(いろど)るドラマはある。一国(いっこく)の代表たる人にはカエルより大きな目でいてほしいものだ。
5月19日
on 19th
May
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