2011年3月22日火曜日

日本の内と外で

「これは夢なのか」いくら頭の中で反復しても、起こってしまった悲劇の現実が消えることはない。
地震発生から最初の津波の到達まで数十分あったことを思うと、いまだに悔しくてたまらない。

このとてつもない天災が、記録メディアの充実した日本の日中に襲ったという事実。私たちは、全人類に向けての地球からの警告として重く受け止めるべきなのかもしれない。だとしても、なぜ冬の東北でなければならなかったのか…

今は、生き抜いた方々のために何ができるのか、心のどこかで意識しながら過ごす日々。
この広域の災害に対しては、赤十字も地元の社会福祉協議会も、いまだ一般のボランティアは受けられないままでいる。北へ向かうことのできない自分がもどかしい。
いくらテレビの番組編成が通常に戻っても、いまだ取材の及ばない混とんとした避難所が各地にあるに違いない。

今まさに苦しい境遇に耐えている方々がおり、それを支えている方々がいる中、愛媛では義援金詐欺事件が発生した。これもまた現代日本の一面…なさけない。

そして昨日、海外のある友人から「大西は国外に逃げないのか」という便りが届いた。地震でも津波でもなく、放射線から…という意味だ。

日本からのニュース映像を見た世界の人々の中には、今、日本全土が刻々と放射線で汚染されつつあると信じている人が、少なからずいるようだ。
これには、日本のある習慣が誤解を招いていると思う。

私の知る範囲では、海外では冬場にマスクをするという習慣はなく、マスクというものは、SARSや鳥インフルエンザの流行といった緊急事態に限った緊急医療品なのだ。

この季節の日本の日常が、彼らの目には、風邪気味の人も花粉症の人も日本のみんながマスクで放射性物質から身を守っているかのように映ってしまうに違いない。

いくら詳細な数値を挙げて安全ですよと言われても、当の国民が誰も信じてないじゃないか、と解釈されてしまうのだ。

こうした思い込みは、海外からの観光や留学、研修など、異文化交流の機会を遠ざけるばかりでなく、支援の妨げにもなりかねない。

マスクに対する誤解、政府の方々は気付いておられるだろうか…?

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