2013年3月23日土曜日

路上の罠 -Traps on the road-

愛媛新聞「ぐるっと地球」'13年3月9日原文追補
寸足らずの排水溝の蓋
This drain cover is quite shorter than the hole width.

よく空港まで車で迎(むか)えに来てくれていた友人は、ヤンゴンの中心地に向かって運転しながら言ってたものだ、「月面(げつめん)へようこそ」。

それほどかつての路面(ろめん)の凸凹(でこぼこ)はひどかった。数年前、元駐日(もとちゅうにち)ミャンマー大使の現知事が就任(しゅうにん)してからは、市街地(しがいち)の基盤整備(きばんせいび)が推(お)し進められ、特に歩道は次々に補修(ほしゅう)されている。

そんな生まれ変わった通りにも所々過去の遺物(いぶつ)は残っており、不覚(ふかく)にも引っかかってしまうことがある。そうした罠(わな)の数々を、いくつかに分類(ぶんるい)してみた。
短めの鬼の角タイプ
Shortish ogre’s horn type

看板(かんばん)や標識(ひょうしき)を立てていた鉄柱(てっちゅう)を撤去(てっきょ)した後にボルトの先が地表(ちひょう)に出たまま残っている鬼の角(つの)タイプ。鉄柱を切断した跡がリング状に残る竹の切り株(かぶ)タイプ。
竹の切り株タイプ
Bamboo stump type
手前は鬼の角、奥は竹の切り株、中間は耳輪タイプ
This side: Ogre’s horn. Backside: Bamboo stump. Middle ones are Earring type.

歩道の下を下水(げすい)が横切る部分でブロックの覆(おお)いが突然(とつぜん)途切(とぎ)れている落とし穴タイプ。さらに補修されていない歩道では、路面のブロックがずれてめくれ上がった氷山(ひょうざん)タイプも多く残っている。
連続小型落し穴タイプ
Continuous small pitfall type
大落し穴タイプ
Big pitfall type 

そんな罠の一つに、私も先日つま先をぶつけて出血(しゅっけつ)したばかりだが、町じゅう凸凹が当たり前だった頃のほうが、そのつもりで歩いていたためか、むしろ危険の見落としは少なかったように思う。また、そんな不便(ふべん)をも私はミャンマーの魅力(みりょく)と感じ、愉快(ゆかい)ですらあった。
暗がりでは侮れない隠れ氷山タイプ
Indistinct iceberg type is risky in the darkness.

けれども、障害(しょうがい)を抱(かか)える方(かた)や高齢者(こうれいしゃ)や子どもたちのことを考えれば、やはり基盤中の基盤は、ちゃんと整備されている社会のほうがいいに違いない。やみくもな近代化には反対だが、その土地の魅力は、誰にも害のないところに求めることにしよう。
連続氷山歩道
Continuous iceberg sidewalk

こんな話を関東在住(かんとうざいじゅう)の友人にしたところ、都心(としん)の路上では「お時間あります?」と言い寄(よ)ってくるお姉さんには要注意(ようちゅうい)との忠告(ちゅうこく)。これもいわゆる「所(ところ)変われば品(しな)変わる」…かな?
歩道工事中もめげずに営業している喫茶店
The street teashop is open even in the term of repairing sidewalk.

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