2012年3月24日土曜日

解決二題 -Two subjects solved-

木柵の上の魚
Some fish on a wooden fence at Meinmahla island

ご無沙汰(ぶさた)しておりました。ぼちぼちですが再開(さいかい)します。

書き込みをお休みしている間に、宿題になっていた二つの謎(なぞ)が解けました。ビビッドな青いハゼと、竹にできる雪洞(ぼんぼり)状の房(ふさ)の正体です。

この解決には、親友で、よき助言者であるイチさんの尽力(じんりょく)がありました。彼のネットワークを通じて、魚類(ぎょるい)の世界と竹の世界で、それぞれ国際エース級の研究者の方に判定(はんてい)していただくことができました。
岩の上の魚
Some fish on a rock at Thamihla island

まず、2011年11月18日登場(11月4日,2012年1月6日にも)の青いハゼですが、魚類の専門家、渋川先生によると、Periophthalmodon septemradiatusであろうということです。

私も同種の可能性もあるかなと候補(こうほ)に挙(あ)げていた種類で、マニアの方々のサイトなどではベトナムスキッパーと呼ばれています。

なぜネット検索しても青い個体が見あたらなかったかというと、写真のものはオスで、メスに対してディスプレイをするときなど興奮(こうふん)したときだけ青く変化し、興奮が冷めると、すぐに地味(じみ)な褐色(かっしょく)にもどるのだそうです。婚姻色(こんいんしょく)とも言えます。

それにしては、私が見た二個体は、それぞれ単独(たんどく)でいたにもかかわらず、終始(しゅうし)青色一色のままで、それこそ巣穴に入る瞬間(しゅんかん)まで青かったです。

たまたま見たのがよっぽど元気がよかったのか、別種(べっしゅ)とは言わないまでも、私が見たあたりには色の変わりにくい特殊(とくしゅ)なグループがいるのか…まだまだ興味(きょうみ)は尽(つ)きません。
背ビレの形が違うムツゴロウ属の二匹
Tow fishes of Boleophthalmus boddarti but have deffferent shaped dorsal fins at Meinmahla Is.

おかげさまで、この種名が分かってからのデルタの旅では、再び視線(しせん)を足元(あしもと)から遠方(えんぽう)に向け直し、ワニの探索(たんさく)やらに集中することができました。
アンテナ状の突起があるのがオスで、滑らかなのがメスか?
A male has sharp antennas on the fin? A female has smooth edged fin?

そんな合間(あいま)に、マングローブの岸辺(きしべ)や沖の小島で撮(と)ったハゼの仲間を紹介しておきます。
だとしたら、これはオス対オスの対決か?
If so, it would be Male vs. Male?

もう一つの課題、竹の雪洞ですが、やはりこれは竹の花序(かじょ)のようです。

2011年12月30日の上から6番目、下から4番目の写真に写っている現物を、インドネシア、 ボゴール植物園のElizabeth A. Widjaja先生に見ていただたところ、Cephalostachyum pergracileであろうとのことでした。

そして、私の載せた写真には、Dendrocalamus属とCephalostachyum属の二つの属が写っているようで、これらのグループに雪洞をつける種(しゅ)が多いようです。

とりあえず、この竹雪洞を付ける仲間を、私の周りの小さな仲間うちでは、仮に雪洞竹(ぼんぼりだけ)と呼ぶことにします。
in Jan. '12, Western Myanmar

この乾季にも雪洞竹を一種見つけましたが、貧相(ひんそう)だった一年前のとは大違い。ナタで枝を切り取ろうと掴(つ)かんだら、「あいたー!」。

雪洞を形作っている稲籾(いねもみ)のような粒(つぶ)の先端(せんたん)一つ一つが鋭(するど)く尖(とが)っているのです。

ハリネズミを触ったことがあるけど、その棘(とげ)よりも、はるかに鋭くて痛かったです。もしや、草食動物に対する武装(ぶそう)か。

ミャンマー恐るべし。まだまだ奥が深いです。

2 件のコメント:

  1. 大西さん
    エリザベス先生のお名前間違えてお伝えしておりました。
    Dr. Elizabeth A. Widjaja さんでした。
    先ほど昔の名刺が出てきたので確認しました。
    大変申し訳ありません。
    市。

    返信削除
  2. 市さん
    了解!訂正しておきました。

    返信削除